施工事例
目に映るのは、大好きなものばかり。とにかく楽しい、おうちライフ。
住まいの提案、北海道。 vol.51
取材・文/三枝史子 撮影/佐々木育弥
庭先でくつろいだようすを見せるIさんご家族は、この家に暮らしはじめて1年半。引っ越して半年後には愛息も授かり、幸福のまっただなかという感じだ。ご夫婦は結婚した当時から家を建てる意思を持ち、マメな性格も手伝って住宅情報誌の類いをしらみつぶしにあたった。土地を探す過程でここ石狩の分譲地を知り、来てみるとマルワホームの旗が立っていた。「マルワ...聞いたことあるな。そうだ、友人が建てたおしゃれでユニークな家が、マルワホームだった!」。以前、夫婦で訪ねたことのあるその家が、強く印象に残っていたのだ。
「それからしばらくして、主人がマルワホームに行ってくる、と。私は仕事で同行できなかったのですが、目の色を変えて帰ってきたのを覚えています」と、奥さまは振り返る。帰宅したご主人の第一声は「楽しかった!」。対応してくれたスタッフとマイホームの夢の話で盛り上がったのだという。「細かいことは忘れましたが、人と同じ家はイヤだ、それならアパート住まいのままでいい。そんな話をしたんだと思います」。ご主人の思いは同社がめざす住まいづくりの姿勢と一致し、初めての訪問で気分が高揚したのだった。
レンガ色のガルバリウム鋼板と緑がかったベージュの塗り壁、さらに、トドマツの板を組み合わせた外観は、緑の多い街並みに調和しながらさり気なく個性を放つ。シンプルなシルバーの玄関ドアを合わせるところも、デザインにこだわりを持つご夫婦の人柄を物語っているようだ。
ご夫婦それぞれに好みのデザインを集めたスクラップブックをつくり、プランニングの手がかりとした。ご主人は窓の配置や広いリビング、奥さまは北欧テイストの家具が似合うナチュラルなインテリアを要望。夫婦揃ってこだわりが強い分、打ち合わせは1回にほぼ1日費やすことも。「マルワさんとものすごく濃い時間を共有したことで、どこを切り取っても大好きな空間をつくることができました」と奥さま。ご主人も現場にほぼ毎日顔を出し、工事の過程でデッドスペースになりそうなところは収納に変更してもらうなど、職人さんの臨機応変な対応もありがたかったという。
限られた予算で理想のわが家を実現するために、暮らしの中心となる1階に力を集中させた。その反面、2階はザックリでOKという考えも潔い。リビングではナラのフローリングが上質な空気を醸し出し、大きく開いた窓は前庭の芝生を通して向かいの公園の鮮やかな緑まで呼び込んでくれる。真南の方向に合わせて壁を斜めに配しているのも、マルワホームらしいテクニックだ。自然光をたっぷり採り入れるとともに、三角に切り取られた空間にはウッドデッキを設け、外との一体感で室内に広がりをもたらした。その縁側のような空間で足を投げ出し、家族でのんびり過ごす時間は何にも代えがたいことだろう。
「毎日、好きな景色ばかり見ているからでしょう、しあわせな気分で子育てができます」。ママの心のゆとりが伝わるのか、小さな王子さまはニコニコと愛くるしい表情を向けてくれる。リビングの一角には畳3枚を敷いたコーナーを設け、赤ちゃんのお昼寝やおむつ替えに利用。空間を閉じることなくほどよい高さの壁で仕切ることで、キッチンに立っていてもかわいいわが子の気配を感じられるのがうれしい。
2階は大容量のウォークインクローゼットを備えた主寝室と、洋室が2部屋。階段上を吹き抜けを利用して、1帖のロフト収納も設けている。下部はコミックなどの整理に、その上は遊び心をくすぐる隠れ家的なフリースペースだ。息子さんがもう少し大きくなったら、友だちに自慢したくなる秘密の基地になるのだろうなと、勝手に想像も働いてしまう。
奥さまは「とにかく暮らしていて楽しいおうちです」と、瞳を輝かせる。クリスマスやお誕生会などのイベントが大好きで、空間を飾りつけたり、人をおもてなしするのにもハリが出るのだとか。 料理が得意なご主人は、遊びに来た奥さまの友人に煮込みハンバーグなどを振る舞うのも楽しみのひとつになった。「時間も空間もゆったりしていて、この家にいると気持ちが豊かになるんです」。
Data
- 敷地面積/265.52㎡(80.15坪)
- 延床面積/115.52㎡(34.87坪)
- 1階面積/69.97㎡(21.12坪)
- 2階面積/45.55㎡(13.75坪)
- 工法/木造在来工法
- 基礎/基礎断熱工法
- 断熱材/付加断熱
- 屋根材/ガルバリウム鋼板
- 外壁材/ガルバリウム鋼板・エスケー化研社、ベルアートキャニオン、スタンダードウォールとど松節有
- 内装材/ビニールクロス
- 床材/シーゲル社 w90 ラスティック
- 暖房/PS社 セントラルヒーティング
- キッチン/タカラスタンダード社、バスルーム、TOTO社サザナ