施工事例
モダンなインテリアに、家族の熱い思いが満ちる住まい。
住まいの提案、北海道。 vol.52
取材・文/三枝史子
「家って、幸せになるためのツールだと思うんです」。そういってご主人は満足げに室内を見渡した。2016年の12月から暮らしはじめて丸1年、日に日に愛着は増すばかりである。家を建てたからといって、家族を幸せにできるわけではない。問題はどう建てるか、ご主人の持論である。「よく建ててから、もっとこうすれば良かったという後悔話を聞きますが、うちにはそれが一切ない。住まいづくりに関して自分もたくさん勉強したし、マルワさんがそれに応えてくれた。やり切ったという感じですね」。
数あるビルダーからマルワホームを選んだのは、デザイン性で群を抜いていたことと、「住まいづくりの好きな人が集まっている会社」という印象を受けたからだ。どんな要望に対しても否定的にはならず、いっしょに知恵を絞ってくれる。そこが心強かったという。
とくに気に入ったのが外観のデザイン。木とガルバリウム鋼板と塗り壁の3層からなる外壁は異なる質感のおもしろさがあり、素材が互いに引き立て合い豊かな表情をみせている。夜は大きな窓からもれる灯りが帰宅の途を照らし、一日の疲れを癒してくれるのだという。
「ああ、いい家だなぁ、と思いますね。うちの全体像が見たくて、わざわざ遠回りして帰ることもあるんですよ」と、ご主人は頬をほころばせた。
出張の多いご主人はホテルに泊まることが多く、そのモダンでシンプルなインテリアを自邸でも再現したいと思っていた。たとえば、床はフローリングやタイルではなく、グレーの濃淡がついたシートフロアを選んだのもそうした趣向から。この素材を住宅に取り入れるのはマルワホームでも初の試みとなったが、床の色調をベースに造作家具の面材などをコーディネートし、モノトーンのすっきりとした住空間を実現させた。配線を壁内に収めたテレビの上下に設置した収納は、上品な光沢のあるメラミン仕上げ。棚は壁の両サイドにまで届き空間を美しい安定感をもたらし、暮らし回りの小物類をたっぷり仕舞うことができる。モノは少なく、生活感のない空間づくりというオーダーに対し、デザインと機能の両面で受けとめた。
ダイナミックな吹き抜けと、大きな窓に沿うように架かる鉄骨階段。やりたいことは固まっていた。「写真でイメージを伝えても、決して同じようにはしない。僕たちの思いを汲みとって、それ以上にいいものをつくってくれました。階段を上り下りしながら開放感を味わい、窓の外に目を向けるのが好きですね。こういう贅沢もマルワさんだからできたと感謝しています」。ソファも空間のサイズやトーンに合わせてオーダーしたオリジナル。ブラインドやカーテンはもちろん、外構工事に至るまでマルワホームでトータルにデザインできるのは施主にとって大きなメリットである。
ご主人が「第2の施主」と親しみを込めて呼ぶほど、設計担当者の意気込みも強かった。大型パントリーを備えたキッチンには並列して水回りを集約させ、廊下からもアクセスできる使い勝手のいい家事導線を計画。細かいところでは、住空間に設けた風の通り道もこだわりのひとつだ。これは、テレビの両サイドに設けた細長い換気用の窓で、ふだんはカバーで壁面になじませるというもの。とくに、力が入ったのは吹き抜けの上まで届く大開口で、隣家と視線がぶつかることなく通りを見晴らせるよう設計。ガラスを十文字にクロスする木の枠もインテリアの要となっている。
また、家族の写真をたくさん飾ることのできる棚や、和室にさりげなく設けた神棚など、奥さまの要望にもひとつずつきめ細かく対応。「営業・設計・コーディネーターそれぞれの皆さんと、僕たち家族が一つのチームになってつくりあげた家だと思います。いわば戦友みたいな感覚。コスパにも大満足で、うちにとっては百点満点です」。住まいづくりの達成感を熱く語りながらも、ソファから窓辺の空を見上げて「ああ、いいねぇ!」とつぶやくご主人に、奥さまも笑顔で頷いていた。
Data
- 敷地面積/264.70㎡(80.07坪)
- 延床面積/124.27㎡(37.51坪)
- 1階面積/68.94㎡(20.81坪)
- 2階面積/55.33㎡(16.70坪)
- 工法/木造在来工法
- 基礎/基礎断熱工法
- 断熱材/付加断熱
- 屋根材/ガルバリウム鋼板
- 外壁材/ガルバリウム鋼板・エスケー化研社、ベルアートキャニオン、スタンダードウォールとど松
- 内装材/ビニールクロス
- 床材/Panasonic社 芦野石柄
- 開口部/m.a.p社 SBウォール、LIXIL社 樹脂サッシLOW-Eクリア
- 暖房/PS社 セントラルヒーティング、キッチン、Panasonic社 ラクシーナ
- バスルーム/Panasonic社 オフローラ