施工事例

自然に近い場所で、趣味も子育ても、めいっぱい楽しむ暮らし。

住まいの提案、北海道。Vol.63

取材・文 / 三枝 史子

夫も妻も家が好き。交際中から住宅展示場めぐり。

札幌芸術の森や石山緑地にも近い自然を身近に感じられる住宅地に、この夏、Mさんご夫婦はマイホームを完成させた。お子さんが産まれて約半年というタイミングでの新居である。以前住んでいた家の家賃とほぼ同額のローン返済で家が建つことを知り、それから土地探しを本格化、ご主人の自然豊かなエリアに住みたいとの希望からこの場所を選んだ。「僕も妻も、もともと家が好きで、結婚する前から住宅展示場めぐりをしていました。家具ショップや参考になりそうなカフェのインテリアにも注目し、木をたくさん使った家にしたいとか、わりと早くから理想像が見えていました。」

庭を映す大開口に、室内の土間空間と外のウッドデッキが一体となり、リビングに心地よい開放感をもたらしている。
土間は靴磨きのスペースとしても重宝している。

 当初は大手ハウスメーカーに依頼するつもりでプランを進めていたが、最終的に見積もりが合わず断念。他社でも同様にオプションをつけるとコストが上がり、同じことの繰り返しだった。そんなとき、ご主人の職場の上司の息子さんがマルワホーム企画で家を建てた縁で、同社を紹介してもらう。その家をはじめ、オープンハウスを見学するうち、自分たちのフィーリングにぴったり合うことを実感。仲山幸仁社長の楽しい人柄にも安心できたと、奥さまは言う。「うちはコスパのいい家づくりがテーマだという、社長の言葉が頼もしく聞こえました。予算がないからムリというのではなく、できる範囲で私たちの要望を叶えてくれるのではないかと期待が持てて。結果的にプランは大満足で、打ち合わせそのものも楽しかったですね」。

ウッドデッキはBBQの最中に雨が降っても困らないよう屋根付きにした。

土間のある大きな窓から、庭の景色を愛でる。

リビングの一角には広い土間空間があり、大きな窓に面している。窓の外には屋根付きのウッドデッキが続き、土間と連動しながらリビングに広がりを創造している。釣りが趣味だというご主人はここでルアーを手づくりしたり、渓流で濡れたウェーダーをデッキで乾かしたりと、存分に活用しているとのこと。土間のコーヒーテーブルとして重宝しているミニテーブルは奥さまのお父さまがニレの木を使ってDIYしたもので、遊び心ある空間にぴったりだ。育児の合間に奥さまの憩いの場にもなっている。

「開放感のある明るいリビングがほんとに気持ちよくて、ナラのフローリングもとても気に入っています。広々とした床がこの子も好きなのか、ハイハイするペースもちょっと早くなったみたい(笑)。来年は庭に大きなプールを出して、友人家族も呼んでいっしょに遊ばせたいですね」。

キッチンを中心に、ダイニングとリビングが一体になった解放的な空間。奥行きのあるアイランドカウンターは両面に収納があり、作業スペースも広くて快適。吊戸棚や壁面のキャビネットの天板にも木を採用し、上質なナラのフローリングとともにぬくもりのある空間に仕立てている。

 今はまだ子育てに夢中で、家族でのんびりバーベキューは来年に持ち越しだ。それだけに、この家と一緒に時を重ねてゆくわが子の成長が楽しみで仕方ない。庭にテントを張ったり花を育てたり、やりたいことが目白押しである。

木をたっぷり使った住空間で、シンプルに心地よく暮らす。

玄関ホールから室内に入ってまず最初に目に入るのがキッチンだ。大きなアイランドカウンターがいかにも使いやすそうで料理も楽しくなるに違いない。「グレード感のあるタカラスタンダードのキッチンが標準仕様で、もう大満足です。天板はオールステンレスでモダンなデザインもかっこいいですよね。広くて快適、主人もパスタ担当で張り切ってくれます」。

冷蔵庫とパントリーは壁面に収め来客時は扉を閉めて隠せるように。できるだけモノを出さずにシンプルに暮らしたいとの思いから、造作の吊戸棚を含め収納も豊富に設けている。パントリーの横からユーティリティーにつながる動線があり、家事がひとまとめにできるのが快適だ。

キッチンからも見える軽やかなスケルトン階段は、奥さまがもっとも好きな場所。
階段下のスペースにはデスクカウンターを設け、パソコンコーナーとして活用。

住まいづくりの最中は暇さえあれば家のことばかり考えていた、とご主人は話す。「空間の雰囲気や好きなデザインなど、イメージに近いものをインスタで集めてたくさん見てもらいました。社長はそこから僕らの好みを察してプランに反映してくれたので、とても助かりました」。素材や色選びなどで迷ったときは、奥さまがスパッと判断し、道が開けることも多々あったとか。ご夫婦の息の合った住まいづくりは、心地よい住空間の実現につながっている。

玄関ホールに差す光がさわやか。
窓はドローンを飛ばして敷地を確認し設けたもの。
2階廊下の奥から階段に向かう。
アイストップからもれる光が開放感を誘う。
ゆったりと設けられた玄関ホール。庭がちらりと見える地窓が風情豊か。
リビングへの開口部はガラス張りにすることで、空間のつながりとのびやかさを創出。
キッチンの後ろに設けたユーティリティースペース。造作の洗面台は広いカウンタートップが使いやすく、ミラーの上には採光の窓を設置。
1階トイレはカフェの内装をお手本に、洞窟をイメージした個性的なデザイン。

設計のポイント

  • 庭を眺めるリビングの南側に大開口を設け、空間に明るさと開放感を創出。
  • リビングの一角にある土間は外のテラスと連動し、趣味にも活用できる空間。
  • フラットなキッチンから住空間全体を見渡すことができ、子育て中も安心。
  • キッチンの後ろに水回りを集約し、使い勝手のいい家事動線を実現。
  • 圧迫感のないスケルトン階段を窓辺に設置し、階段下はパソコンデスクとして活用。

Data

  • 敷地面積 239.84㎡(72.55坪)
  • 延床面積 111.38㎡(33.69坪)
  • 1階面積  62.52㎡(18.91坪)
  • 2階面積  48.86㎡(14.78坪)
  • 工法/木造軸組工法
  • 基礎/鉄筋コンクリート布基礎+基礎断熱
  • 断熱材/内壁+付加断熱
  • 屋根材/ガルバリウム鋼板
  • 外壁材/ガルバリウム鋼板+エスケー化研社製ベルアート+道南杉
  • 内装材/ビニールクロス
  • 床材/東北木材社製Nor.t.h オークピュア
  • 開口部/LIXIL社製樹脂サッシ
  • 暖房/パネルヒーター
  • キッチン/タカラスタンダード社製
  • バスルーム/タカラスタンダード社製

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